原野達也(社会医療法人 雪の聖母会 聖マリアヘルスケアセンター)
川崎慶匡(九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科)
河野千里(医療法人社団 善仁会 宮崎善仁会病院)
蔵原麻衣(九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科)
田中克統(医療法人社団 東光会 戸田中央リハビリテーション病院)
松山 裕(医療法人社団 慶仁会 川崎病院 関節症センター)
二宮省悟(九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科 研究代表者)
側腹筋厚に有意差を認めなかった一方で、股関節内転筋群の筋活動を促進した可能性を示唆
PFProp®は、骨盤底筋群トレーニングのツールとして使用されている。
骨盤底筋群は、鬱や寝たきりの原因となる尿失禁の予防・改善に大きく関与していると言われる。
PFProp®が骨盤底筋群にどのような効果を与えるか、骨盤底筋群を直接評価すべきであるが、倫理的観点から評価を行うことが困難である。そのため、骨盤底筋群の活性に伴い収縮する側腹筋厚と、骨盤底筋群と筋膜で結合すると考えられる股関節内転筋群筋力という観点からPFProp®が、どのように身体に影響を及ぼすのかを検証した。
検証方法は、大学の健常な学生62名を、PFProp®を使ったトレーニングをする群、PFProp®を使わずにトレーニングする群、何もしない群の無作為な3群に分類。実験初日と3週間のトレーニング後に3群とも、超音波診断装置による側腹筋厚の測定、および内転外転筋力測定器による股関節内転筋群筋力の測定を行った。
結果はグラフに示す通り、3週間のトレーニングでは側腹筋厚に対し、充分な影響を与えるに至らなかった。一方、股関節内転筋群の筋活動を促進した可能性を示唆された。